個展「新宿幻像生活」
新宿眼科画廊
“海の瞬間”シリーズ
写真、アクリルペイント、木製パネル / 16点 / 2022年
”SEA MOMENTS”
Acrylic on Photograph, Wood Panel / 2022
“INFINITY”
映像作品 / 4K / 11分 / 2022年
”INFINITY”
Video / 4K / 11min / 2022
“P_H_A_N_T_A_S_M_A” シリーズ
ディスプレイ、木製掛、映像再生機器 / 4点 / 2022年
”P_H_A_N_T_A_S_M_A” series
Display, wooden hanging scroll, Video equipment / 2022
“INFINITY scroll”
ディスプレイ、木製掛、映像再生機器 / 2022年
”INFINITY scroll”
Display, wooden hanging scroll, Video equipment / 2022
Exhibition at Shinjuku Ophthalmologist Gallery, Tokyo
2022.3.4. - 3.9.
© 2022 Yuki Tsuchiya / yukichico
新宿幻像生活
土屋由貴
2021年2月20日
そろそろなにか作らなきゃ、と思い立つ。
2020年はなにかと生活様式が変わり、<作品>を作ろうという気持ちにならなかった。
その代わり世の中の変化に対応しての映像制作は増えていった。
人の伝えたかったことを、その場に居られない人々に届けるために、映像を作る。
2020年から、コロナ禍により映像は外部の窓となった。
zoomによってあたかも同じ時間を共有しているかのように
カメラの向こうの他者の存在を信用する。
それはきっと脆い錯覚なのだが、
私は送信されてくるそれを信じている。
2022年3月4日
錯覚と同居する日々を続けている。
あれからさほど変わっていない生活のなかで、
リビングルームで自分の<作品>を1年ゆっくりと作り続けてみた。
世の中にある映像は相変わらず、
時間のゆらぎ(現実とのずれ)、空間のゆらぎ
をまとって、窓の向こうの世界を連れてくる。
私が<作品>を作るならば。
目の前で起こる現象が、今ここにしかないものであって欲しい。
錯覚が世の中にあるならば、それを楽しむ。
視覚の揺らぎや、記憶と時間といった<私が見ているもの、または見ているつもりになっているもの>を意識化する、
内部への窓としての映像。
2022年3月9日
リビングルームで作っていた、日々の生活のなかから形になった<作品>たち。
すこしの間、外の壁に飾ってみたらどうなっただろう。
私だけではなく、鑑賞者の生活の一部になったら、
<作品>は私とあなたをつなげる窓なのかもしれない。